1時間後、作戦説明のため全艦娘が作戦司令室に集合していた。

不知火「青葉さんが囚われている場所はこの辺り…冬木市郊外の山間部のどこかです」

地図上を不知火が棒で指し示す。

不知火「升黒提督のGPSが生きていたのが幸いでした。屋内にいるらしく精度は低いですが、数キロ圏内に絞れていますので、現地に行けば発見は難しくないでしょう」

不知火「基本戦略ですが…まず拠点として冬木港を確保。その後退路となる未遠川の確保と青葉さんの探索を並行して行い…発見次第全速で離脱を図ります。英霊は正面から戦って勝てる相手ではありません。最小限の人員で足止めしつつ、早期離脱を最優先に行動します」

不知火「次に編成です」

不知火「主力艦隊は先ほど述べたとおり、最初に冬木港を確保した後3部隊に分かれます。第1部隊は戦艦、重巡を中心に編成、冬木大橋付近から上陸し、西の深山町方面から探索します。旗艦は大和さん」
大和「わかったわ」

不知火「第2部隊は空母、軽巡、駆逐艦で編成…冬木港から東の新都方面に展開します。旗艦は赤城さん」
赤城「了解」

不知火「第3部隊は航空戦艦、航巡、雷巡、そして一部の駆逐艦で編成…未遠川の確保を行います。水中に敵が潜んでいる可能性もありますので、甲標的と水上機で哨戒を行います。旗艦は扶桑さん」
扶桑「…分かりました」
不知火「また、未遠川確保後、駆逐隊が分隊として未遠川上流から上陸、山間部を探索します。この部隊の指揮は不知火が行います」

不知火「ここまでが主力艦隊です。それ以外に別動隊をいくつか組織します」

不知火「まずこの鎮守府の守り…これは潜水艦の皆さんとたいげ…龍鳳さん、それと夕張さんと睦月・如月・弥生・卯月にお願いします」
如月「あら、今回は居残りなの?」
不知火「ここに『彼ら』が来る可能性は低いですが、深海棲艦に対する守りも疎かにはできません。また、前線と連絡が取れなくなった場合など、司令のご判断で出撃となる可能性もありますからそのつもりで」
如月「うふふ、わかったわ」

不知火「それと、鎮守府や各部隊との通信を中継・統括する部隊を冬木港沖合に展開させます。これは大淀さんと伊勢型航空戦艦を中心に編成します」

不知火「また、未遠川が使えない場合の保険として、山越えで隣市に抜けるルートを確保します。これはあきつ丸さんと、ビスマルクさん、レーベ、マックスで行ってください。冬木市南西部の山中に西洋風の古城がありますので、可能であればここを中継基地として確保してください」
あきつ丸「了解であります!」

不知火「最後に…今回、敵の『アーチャー』による遠距離からの狙撃が予想されます。これに対抗するには、少人数で行動し、気づかれずに近づいて倒す、という戦術が有効と思われます。この役目を…天龍さんと龍田さんにお願いします」
天龍「おおっ、暗殺部隊か!へへっ、腕が鳴るぜ!」
不知火「お判りでしょうが、発見されてしまえば増援は望めません。最も危険な役目です」
天龍「わあってるよ!その位でなくちゃ面白くないぜ」
龍田「うふふふ、大丈夫、天龍ちゃんに手を出す奴はこの私が…」
不知火「ええ、頼りにしています。お二人は冬木港以外の場所から上陸してください」
天龍「了解!」


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