「「「「ッ!」」」」
突然聞こえた声に思わず振り向く。振り向いた先には胸元と背中が大きく開いた鎧に身を包み、大剣を背にする長身の青年がいた。
Z1「貴方、は―――」
ジーク「セイバーだ。マスターの命によりお前たちを此処で止めるために来た」
ジーク「冬木より撤退するのならば止めはしない。だが、これ以上先に進むというのであるのならば――――――その命、ここで散ると知れ」
Bis「あいにく、私達も仲間を助けるまでは引けないのよ!」
Bis「見たところあなた一人!決して対処できない数ではないわ!先手必勝よ!」
言うが早いか、ビスマルクの主砲が轟音と共に砲弾を撃ち出す。砲弾は狙い過たずセイバーに命中、轟音とともに弾かれた。
セイバーの誇る防御宝具、
悪竜の血鎧。この宝具は一定以下の攻撃を無効化、一定以上の攻撃でも大幅に減衰させる、まさに鉄壁の鎧である。
ただ、ある一点を除いて。
Bis「やっぱり効かないか、なら…あきつ丸はこいつの情報をできる限り後方に送って!レーベ、マックス!私たちはアイツの足止めよ!」
あきつ丸「任せるであります!」
Z1「任せて!」
Z2「分かったわ」
ジーク「では、行くぞ!」
主砲、副砲、対空機銃。持てる武器を総動員して迎撃するビスマルクたちとそんな彼女らの砲弾の雨をものともせずに突っ込んでくるセイバー。
Bis「くっ!」
振り下ろされる大剣を間一髪で回避する。着地を考えないで回避したせいで地面に転んでしまったビスマルクをレーベとマックスが援護し、立ち上がろうとするも―――
ジーク「ふんッ!」
躱されたとみるや、セイバーはすぐに柄で殴りつける。ビスマルクはこれをかわし切れず、砲塔を一つ盾にすることでしのぎ切った。
Bis(第三砲塔が…。だけど、まだまだ!)
彼女らは戦意を奮い起こして立ち向かう。その姿に竜殺しの勇者は心の中で敬意を表し、さらにその力を振るう。
ジーク「オオオオオオォォォォォォォォォォ!」
裂帛の気合いとともにバルムンクが振り下ろされ、ビスマルクは第三砲塔を盾にして凌ごうとした。
が、一瞬嫌な予感がしたためすぐさま手放し、回避に移る。案の定第三砲塔は苦も無く切断されていた。
さらに追撃に移ろうとするセイバーを駆逐組が牽制、その隙に再び立ち上がり距離を取る。
Bis(さて、何とか頑張れているけど…。アイツの正体が分かれば何とかなるはず。頼むわよ―――)
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