大和の救援要請より十数分前。天龍と龍田は新都中心部へ向かっていた。
天龍「他の部隊はもうおっぱじめてるみたいだな」
龍田「ええ、そうね~。スナイパーさん、早く出てこないかしら~」
???「ねえ、お姉ちゃん達はどこに行くのかしら?」
突然聞こえた声に振り向く。ぎょっとして振り返ると、ゴスロリのような服を着た少女が一人立っていた。
天龍「お前、誰だ?」
ナ「私はアリス。お姉ちゃん達は―――艦娘さん?」
天龍「俺達のことを知っている…?お前、サーヴァントか…!」
龍田「天龍ちゃん!」
龍田の警告で天龍は初めて気が付いた。いつの間にか、自分たちはトランプの兵隊に囲まれていたということに。
ナ「ええ、そうよ。つまんないから、簡単には死なないでね?」
襲いかかるトランプの兵隊。二人は各々の武器を構え迎え撃った。
天龍「こいつら、一体一体はそう強くねぇ!この程度なら俺達でもなんとかなる!」
龍田「本当、思ったより骨がないわ~」
副砲と主砲で薙ぎ倒し、近づいた敵を斬り倒す。この要領でトランプの兵隊はどんどん数を減らしていった。
ナ「すごいすごい。次は私のお友達を紹介するね!」
天龍「―――ッ!?なんだありゃあ……!?」

現れたのは見上げるほどの大きさを持つ人型の怪物。二人の本能が『あいつは危険だ』との警鐘を鳴らす。
ナ「さあ行きなさいジャバウォック!あの二人を、バラバラに引き裂いちゃえ!」
「■■■■■■■■■■■ーーー!」
怪物が咆哮と共に突撃し、その剛腕を振り回す。
天龍「おりゃああああああ!」
龍田「天龍ちゃんには手を出させないわよ~?」
二人は躱しつつそれぞれの得物を振るう。だが―――
天龍「こいつ再生しやがる!?」
斬った箇所はすぐに再生し、まったく効果がない。砲撃を撃ちこんでみてもすぐに回復してしまう。さらに―――
ナ「追いかけたくなっちゃうよね、兎とか」
龍田「天龍ちゃん!」
天龍「くっ、うおおおおおおおおおおおお!」
落下する氷塊を必死で回避する天龍。そこにすかさずジャバウォックが追撃を掛けるが、龍田がうまくそれを防いだ。
龍田「くっ…」
天龍「龍田ァ!」
龍田「だ、大丈夫、まだいけるわ~」
天龍「クソ、あいつだ。アイツを倒せれば止められるかもしれねぇ」
ナ「―――もうすぐお茶会の時間ね。おねえちゃん達も招待してあげる」
天龍「何を―――」
ナ「越えて越えて虹色草原、白黒マス目の王様ゲーム」ナ「走って走って鏡の迷宮、みじめなウサギはサヨナラね!」ナ「永久機関・少女帝国!」ナ「さあ、お茶会の時間よ。嘘みたいに殺してあげる!」
宝具解放。何らかの治癒の効果でもあるのか、倒したはずのトランプの兵隊が再び立ち上がる。
天龍「くっ、ならもう一度倒せば―――」
天龍が一人の兵士を切り捨てるが、すぐに傷がふさがり立ち上がる。
天龍「ウソだろおい!なんなんだよこいつら、クソっ!」
龍田「天龍ちゃん!?」
「■■■■■■■■■■■ーーー!」
天龍「ぐぁっ!ぐ、ぅ……」
一瞬の隙を突かれ、ジャバウォックに殴り飛ばされた天龍はそのまま近くの壁まで吹き飛ばされた。受け身は取ったものの、ダメージは甚大である。
天龍(くそっ、このままじゃどうあがいても勝利はねぇ。不死身の軍団に押しつぶされちまう!)
ちょうどその時、大和からの通信が届く。
大和『天龍、聞こえる!?アーチャーが出たわ、場所は―――』
天龍(クソ、アーチャーも出やがったか!)
天龍「すまねえ!こっちにもサーヴァントが出やがった!」
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