金剛「AIEEEEEEE!?FLYING!?FLYINGナンデ!?」
比叡「ひええええええ!?」
鳳翔「はわわわっ!?」
彼女らは大きな白い翼に吊り下げられ、天高く飛び上がっていた。
川内「へへっ!一度やってみたかったんだ~!」
翼のように見えたのは、川内が隠し持っていたのであろう、大凧だった。宝具の威力が、ランサーの備えた太陽の力のごとき、光と熱によるものだと看てとった川内が、それによって引き起こされる水蒸気爆発と上昇気流を最大限利用し、大凧の揚力に変えて飛行した――その場にいた誰もが、予想しなかった脱出法だった。
霧島「こ、これは計算外ですね…」
感嘆の声を出す霧島に、この状況を作り出した当人が問いかける。
川内「あっ、計算というならさ、重量がどのくらいか計算してくれないかな…ぐぐぐ、正直きつい…」
川内は両手で必死に鎖を握り締めていた。脂汗が浮かぶその両手は、誰がどう見ても限界であった。
霧島「えと、1人平均70kgとして…」
那珂「えーっ!那珂ちゃんそんなにないもん!」
榛名「で、でも、艤装まで入れると…」
川内「だぁー!もう駄目!!」
ずるっ
4本の鎖が川内の手から抜け落ちた。残された4人…川内型3姉妹と鳳翔は、新都の住宅街に墜ちていった金剛型4姉妹を青い顔で見送った。
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「「「「きゃぁぁぁ~~~~っ!」」」」
ずしぃいん!!
金剛「Ouch…皆サーン、大丈夫デースか…?」
榛名「はい、榛名は大丈夫です…」
比叡「私も何とか…」
霧島「私の計算によると、この下の人たちがクッションになって助かったようで…」
金剛「『下のヒト』…?」
金剛は背中の下敷きになっている『ヒト』を見て、怪訝な顔をした。何故なら、それは赤銅色の肌をした巨人のような姿をしており、まるで『ヒト』のようには見えなかったからである。
龍田「た、助かったわ~…」
天龍「危なかったぜ…」
偶然は、ひとまず天龍と龍田には味方したようであった。
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