ドドドドドドドド……!!

主砲の連打が狙うのは地下室の天井だ。10cm高角砲の爆発力は魔力で強化された天井にも罅を入れ、崩落した破片はマスターの頭上に狙い過たず降り注ぐ。

ボゴッ!

「ん」

降り注いだ破片は、何もない空間で2つに割れ、マスターの身体を避けて落下する。何らかの魔術礼装で保護されているのだろう。

狐「無駄ですわよっ!!」
不知火「!!」

ゴバアッ!!

炎、氷、風の連撃が不知火の身体を襲う。回避も防御も許されず、火傷と凍傷と裂傷を一度に負いながら、不知火は元いた壁の穴に押し込まれてしまう。

魔「あらあら、逆戻り?なら、此方もそうしなくてはね」

不知火は目を疑った。砲撃で崩落させた天井の破片が、まるで録画を逆回しするかの如く浮遊し、合体し、元の無傷の天井に戻ってしまったからだ。

狐「おや。便利ですこと」
魔「この程度。死んだ獣を再生させるより遥かに簡単よ?」
不知火「…………」

既に敵ですらないと看做しているのだろう、不知火など眼中に無いとでも言うように談笑する2人。

不知火(届かない、というの?この、不知火の力では?)

魔「ネズミが鬱陶しいわね」

ドドドドッ!!

不知火(こんな、ところで)

狐「早く退治してしまいましょう」

ゴッ!

不知火(しずむ、なんて)

魔「しぶとさだけは一人前ね」

ボゴオッ!!

不知火(それだけは、いやだ)

狐「さっさと、お逝きなさいっ!!」

キィンッ!!

(せめて)

ゴウッ!!

(死なば諸共……)

カッ!!

(お前たちも一緒に……)


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