夜が更けていく。提督と共にいる艦娘は意気消沈した顔で。提督は目を閉じてじっとその時を待っていた。
数分か、はたまた数時間か。いくばくかの時間がたった後に廊下から足聞きなれぬ足音が聞こえてくる。―――その時はやってきた。
ラ「よう提督。今、自分が置かれた状況は分かっているな?」
提督「……」
ドアが開き、現れたのは二人のサーヴァント。思えばこの二人が最初に遭遇したサーヴァントだった。
カ「ならば艦娘は武装解除した後に提督をこちらに引き渡してもらおう。できれば抵抗はしないでほしい。これ以上の無用な流血は必要ない」
ラ「こっちに関する資料もだ。回収しろってのがオーダーでね、全部こちらに引き渡してもらおうか」
ガチャガチャと艤装が解除され床に置かれていく。龍鳳と大淀が資料を持ってきている間に、睦月がポツリと口を開いた。
睦月「…提督は」
ラ「あん?」
睦月「提督は、どうなるんですか?」
ラ「さあ?海賊じゃあ負けた大将は首は斬りおとされたうえで晒すのが常識だが…ま、どうなるかはわからんよ」
睦月「そんな…」
ラ「諦めな。残酷なようだが、敗者の習いだ。あんたらが勝ってりゃ立場が変わっていただけの話さ」
そうこうしているうちに準備が終わり、出港の時間が来る。
人と荷物をすべて積み込んだ船は徐々に港を離れていく。提督は、もう戻れないであろう己の鎮守府を、夜の闇に紛れて見えなくなるまでじっと見つめていた。
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