「さて―――こいつをどうするか」目の前には陽炎型駆逐艦が一隻壁に突き刺さった状態で置かれている。
「工房を壊すことでサーヴァントを無力化しようとでもしたのか。考え方は間違っていないが、残念ながら見当違いだったな。タマモ」狐「はい」
「隠蔽工作だ。これを東にある山奥にある無人の廃屋に突っ込ませておいてくれ」狐「それだけでいいんですか?」
「構わない。このことを隠蔽したいのは我々だけではないからな、せいぜいうまく隠してくれるだろう」「さて…魔術師の名において宣言する!」「提督の身柄はじきに確保される。この戦いは我々が勝利した!」「故に各サーヴァント及び艦娘は即座に戦闘を停止、艦娘は武装を解除しろ!」「従うのならば当面の命は保証する!従わぬのならばその命、無くなると思え!」――――――――――
アタ「終わった、か。あれほど息巻いていたのに、終わりはあっけないものだ」
死屍累々の校庭で、三人の勝者は静かに己がマスターの声を聞いていた。
この場所での戦いで生き残った者は三人のみ。つまり、そういうことだった。
李「…つまらん。期待して来てみれば所詮艦娘もただの木偶であったか」
エ「アンタにかかれば大抵の相手は木偶じゃないの。ま、とりあえず一度戻りましょう」
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ア「ん。終わったんだね」
そう言い残し、霧夜の殺人鬼は去っていく。
彼女が去った後には、四つの解体された少女だったモノが残っていた。
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犬「やれやれ。終わっちまったか」
放たれた因果逆転の槍は、狙い過たず少女たちを粉砕していた。
犬「だがまあ―――あんた等はよく頑張ったと思うぜ、実際。ゆっくり休みな、もし次があるのなら何度でも相手してやるよ」
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ナ「なーんだ、終わっちゃんだ。まあいいや、ジャバウォック!一緒に帰ろう?」
童話に出てくるような可憐な少女は帰途に就く。そこには、彼女たち以外には誰もいなかった。
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「■■■■■■■■■■■……」
戦闘が終わり、バーサーカーの巨体が光となって消えていく。
…彼女たちは嵐の化身ともいえる相手と戦い、生き延びた。生き延びたが…部隊はほぼ壊滅するほどの損害を受けてしまっていた。
大和「終わった、か…」
衣笠「私たちは…負けてしまったのね……。ごめん、青葉…」
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白「声は聞こえていたでしょう。武装解除をしたのち、投降してください」
曙「クソ…提督……!」
朧「…わかりました。武装解除…します……」
ガチャガチャと音を響かせながら艤装を外していく。
白「…ご協力に感謝を。我が主の名において、貴女方の命は当面の間保障されます」
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紅茶「終わったか…」
剣が突き立つ橋の上。立っているのはただ一人、赤い弓兵のみである。
彼は彼女らを一瞥すると、夜の闇に消え去った。
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陽炎「う…あ……」
蝉「つまらぬ。もう壊れたか。艦娘は、存外脆いものなのだな」
蝉「とはいえそろそろ終幕だ。遊びもここまでだな」
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ジーク「…終幕か」
うごかなくなった少女たちの前で、竜殺しは一人喋る。
ジーク「お前たちはよく頑張った。他の誰が認めなくても、このオレだけは認めよう」
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侍「ふむ…なかなかどうして、粘ったものよ。いや、拙者が見くびっておったのか」
侍「とはいえ、良い腕試しになった。もう次は無いが、もし次があるのならもう一度手合わせしてみたいものだ」
門の前で一人ごちる。夜空の月を眺めながら、残念そうに。
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「―――了解」「提督の身柄は確保した。キャスター」魔「何かしら?」
「他の連中が戻ってきたら手分けをして死んだ艦娘の遺体を回収してほしい」魔「ふーん…理由を聞かせてもらっても?」
「一度は敵対したとはいえ、死ねば仏だ。隠蔽する必要もあるし、全部まとめて供養する」魔「ふーん…まあ、嫌いじゃないわ。いいわ、その程度ならやってあげましょう」
魔「ああ、それとマスター?どうやって終わらせるつもり?」
「提督二人にはトップらしく『責任』を取ってもらう。あとの連中は…手間はかかるが顔を変えて記憶を消してからの放逐だ」魔「甘いわね」
「仕方がないだろう。必要ならばやるが、大量虐殺の趣味は無い。とはいえそのまま送り出すわけにもいかない。安心しろ、こういう時のための伝手はある」魔「ふーん…まあ、いいわ」
そうこうしているうちに、念話が来た。どうやら冬木の沖についたらしい。
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