魔術と砲、鏡とナイフが交差する。幾度かの打ち合いが続き、両者は再び距離を取った。
狐「あら、どこかで見たと思ったら。そのナイフ、アサシンの物ですね?パクったんですかぁ?」
不知火「盗んだとは失礼な。拾ったものを私物化しただけに決まっているでしょう?」
狐「それをパクったっていうんじゃないんですかねぇ?奔れ、密天」
大気が収束、刃となって全身に斬りかかる。咄嗟に回避するものの、多少は傷を負てしまった。
不知火(やはり風は避けにくい…だけど、多少の切り傷など問題にはならない!)
嵐を避け、一気に距離を詰める。
狐「また馬鹿正直に突っ込むだけですか?」
不知火「は、まさか…!」
不知火(残り少ない魚雷、ここで使い果たす!)
迎撃で撃ちだされた氷に魚雷を投げつけ、これを破砕。キャスターはさらなる追撃をしようとしたが―――
不知火「アアアアアアアアァァァァァァァァァ!」
煙の中から氷の破片を全身で受けたのか、血塗れになった不知火が飛び出す。
己の数少ない手札を切って行う、捨て身の
突撃。
狐(窮鼠が飛び出してきましたか!)
―――キャスターは強い。しかし、それは呪術を含めた魔術方面のことであり決して肉体は強い方ではない。いや、下手すると素の殴り合いで負けるかもしれない。だからこそ、近接戦闘に特化した相手との戦い方は心得たものがあった。
狐「―――呪層・黒天洞!」
咄嗟に鏡を強化し、盾とする。宝具すら防ぎきる盾である、ただのチャージならばこれで十分止めることができるはずだ。
―――だが、キャスターにはいくつかの計算違いがあった。一つはいくら強力な盾であっても支えるのは己の足であること。もう一つは、追い詰められた鼠の力を読み違えたこと。
激突する寸前に不知火は己の背後に何かを投げた。
―――魚雷である。背後に投擲された魚雷は即座に爆発、膨大な炸薬の力により爆発的な加速を得た不知火の体が、
狐「な…」
ズドオオオン!!!
盾ごとキャスターの体を吹き飛ばした。
不知火「ハァ…ハァ…これで、不知火の勝ちです…!」
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