不知火「ドレイク、カルナ、メドゥーサ…!」
青葉「そん…な……」
言われなくても分かっている。こんな軍勢を前にして、たった2人で通り抜けるなんて、不可能だ。
青葉「ここまで…なの…?」
不知火「く………」
青葉ががっくりと両膝をつく。不知火も唯一残った武装であるナイフを構えているが、今にも青葉と同じく項垂れてしまいそうな程、力がない。
不知火「青葉さん、申し訳——」
(ちょっと待つの!)
不知火「!?」
青葉「その声は——イクさん!?」
船団の真下を潜ってきたのだろうその声に、青葉が弾かれたように立ち上がり辺りを見回す。
伊19(こっち見ちゃダメなの!500メートル後ろ…左岸に下水道の出口があるのね!)
戸惑う青葉に不知火が小声で指示を出す。
不知火(ここは不知火が押えます。青葉さんはイクさんのところへ)
青葉「で、でも…」
ラ「なんだぁ?余計な真似をするなら……」
ライダー=ドレイクがすっと右手を差し上げる。艦隊に号令を出すための構えに外ならない。
不知火「急いで!!」
青葉「は、はひ!!」
ザッ!
この状況から鎮守府へ帰還するには、まず陸路で安全な海岸まで移動し、そこから出航するしかない。伊19が経路を提示したということは、そのルートの当てがあるということだろう。…が、当然その目論見を見過ごすような相手ではない。
ラ「行かせねぇ!!」
ドッ!!
一隻の火船が青葉の背中に向けて突進し、不知火の投げつけた魚雷発射管の残骸を受けて空中で爆裂する。
不知火「まだ…終わっていません……貴方たちは…不知火が止める!」
ラ「面白え…獲物が減っちまったのは残念だが、楽しませて貰うぜ。野郎共、狩りの時間だ!!」
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伊19「こっちなの!」
伊19と落ち合って下水道を進んだ青葉は、少し開けた空間…何らかの処理施設と思しき場所に出ていた。伊19はそこから繋がる扉の1つを開け、更に奥へと青葉を誘う。と、その時——
「お待ちなさい」
青葉「ジャンヌさん!?」
開いた扉の先で2人を待ち受けていたのは、それまで全く姿を見せていなかった、
裁定者のサーヴァント、ジャンヌ・ダルクだった。
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