ラ「野郎共、狩りの時間だ!!」

号令とともに海岸線を埋め尽くす大船団は不知火に殺到し、呆気無くその身を打ち砕く…筈だった。

ガオンッ!!

ラ「なにっ!」
不知火「!?」

不知火の目の前で火船の群れが掻き消えた・・・・・。驚き振り向く不知火の視線の先には……

霞「不知火!!」
不知火「霞っ!いったいこれは…」

どうやって——その答えは霞の背後にあった。

初霜「流石は、大和さんですね」
矢矧「歴史上最強の戦艦に、500トン級如きが敵うと思うのかしら?」
大和「もう、持ち上げ過ぎですよ?…でも、艦隊決戦なら、そうそう負ける気はしないわ。全主砲、薙ぎ払えっ!!」

ガオンッ!!

21世紀には戦艦として人類史上最強と呼ばれ、後世にもそれを超えるものは現れないだろうと言われた大和型戦艦…その1番艦の主砲が火を噴き、またも船団の一部を消し去った。

ラ「く……てめえら、ビビってんじゃねえぞ!海賊の意地ってもんを見せてやれ!」

メ「ふむ、厄介な相手が現れたものです…ここは私が」

ドドドドドッ!!

天馬の鼻先に爆撃が降り注ぎ、何本もの水柱が立つ。

メ「!!」

ガガガガガッ!!

空中へ退避した天馬を、さらに機銃の濃密な弾幕が追い立てる。

加賀「ここは譲りません。…心配いらないわ」
赤城「南雲機動部隊、全力で参ります!」
霰「不知火…!」
不知火「霰っ!」

左手を見れば、空母たちを引き連れて堤防の上を駆けてくる霰の姿が見えた。

カ「ぬ……お前たち、ただでは通さぬということか」
早霜「当然です」
雪風「不沈艦の名は、伊達じゃないのです!」
満潮「アンタには一発痛い目見せてやらないと気が済まないわ!」

10隻ほどの駆逐艦娘たちがカルナを包囲する。その先頭で、1隻の駆逐艦に支えられながら指揮を執る軽巡洋艦の姿があった。

神通「こんな私でも、あと1戦くらいならできます……探照灯照射。第二水雷戦隊、突撃!」
「「「おおおーっ!!」」」

不知火は神通の肩を支える駆逐艦に呼びかけた。

不知火「陽炎!」
陽炎「やっほ。お待たせ!」
不知火「不知火も戦いま…」
陽炎「ちょい待ち!アンタはそれよりもやることがあるでしょ?」
不知火「えっ?」

不知火の疑問に応えたのは、足元から出現したゴーグル付きのあどけない顔だった。

まるゆ「不知火さん!隊長からのお手紙です!」

差し出されたA4ほどの紙片。目にして不知火はまず目を丸くし、次いで含み笑いを漏らす。

不知火「ふ、司令…貴方って人は…!」
まるゆ「こっちです!」
不知火「ええ、皆さん、ここは頼みます!」
陽炎「まっかせなさい!」

まるゆの誘導に従い、不知火は堤防を駆けあがり、まだ闇の深い深山町へと消えていった。


_vs_magus_yobu-4-2