『……』
『受けてくれるなら升黒艦隊の処遇に関する諸々はなんとかしよう。それと、海上封鎖を解いてくれれば私も直ぐに冬木に向かう』

これを聞いて驚いたのは不知火だ。

不知火「司令!それは…」
『イク、不知火を黙らせろ』
不知火「もがっ」

じたばたと暴れる不知火を、器用な手つきでヌルヌルと押さえつける伊19。

不知火(ここに司令が来る…それも、同じ泊地の提督として……つまり、これは司令自身が人質・・・・・・・ということ)

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「ふーむ…」

傍らに立つキャスター=玉藻前に、マスターの少年は問いかけた。

「タマモ、どう思う」
狐「どう、とは?」
「実際問題、艦娘自体は敵じゃないんだ。問題は、『弱い奴に舐められると、それを見た他の連中に目を付けられる』ことだ」
狐「確かに、そう仰ってましたわね」
「この戦いで、お前たちも、彼女たちも力を示した。彼女たちは『弱い奴』ではなかったし、お前たちはその相手に充分な力量差を見せつけた。これでも攻めて来ようなんていう奴は、よっぽどの馬鹿か、元から勝ち目のない相手だけだ」
狐「ふむふむ?」
「要するに、安全保障上の目的は、実は既に達成されているんだ。後は、艦娘というヤツについてもう少し調べる必要があるだけ」
狐「つまり、この条件を飲む、と?」
「ああ」
狐「うふふ、ご主人様がそう仰るなら従うだけですわ。他の皆さんも口では色々言うかもしれませんけれど……本心ではご主人様を信頼してくれるはずです。ただ…」
「ただ?」
狐「ご主人様もご自分の本心に、もう少し素直になっても良いのでは?」
「本心?」
狐「ホントは誰も殺したくなんかない、でしょ?」
「……」


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