あの光は…<<支援艦隊が到着しました!>>
長門「加賀!第一次攻撃隊は!?」加賀「駄目ね、もうちょっと後なら飛ばせたのだけど…まだ日が昇っていないから無理よ」長門「なら…駆逐艦、軽巡は探照灯を照らしつつ対空攻撃を!一隻でも多く撃墜するんだ!重巡、戦艦は私に続け!目標、敵艦隊旗艦!てえぇっ!!」(百を超える艦娘達から一斉に攻撃が放たれた)
(その攻撃は苛烈だった 不知火と戦い始めたころの船ならば、あるいは撃沈もできただろう)
(しかし、すでに宝具は解放された 艦娘軍団の攻撃は、撃沈はおろかライダーの“伝説の象徴”に傷をつけることもかなわなかった)
…他の艦娘か 戦いに介入するというのであれば相応の覚悟はできてるのかい?
(その声と共に嵐のような砲撃と艦隊から分離させた三十余隻の火船を突撃させた)
(嵐のような砲撃を回避しきれなかった戦艦娘は運よく直撃はしなかったが至近弾を受けて次々と大破し、ほかの艦娘は持ち前の機動力で回避し続けたがすぐに限界が来た)
(そして不知火、艦娘軍団を火船が飲み込もうとしたとき―――)
ッ!?
(ライダーはこの戦いで初めて“命の危険”を感じ艦隊の最後列の船に飛び移った)
(次の瞬間一条の光が最後列を除くライダーの艦隊を薙ぎ払い水平線の彼方まで直進し巨大な水柱が立った)
あれはランサーの…チッ、もう来たか!
(その光はランサーの持つ宝具の一つ『梵天よ、地を覆え』(ブラフマーストラ)。桁違いの攻撃力と破壊力を以てライダーの宝具を打ち払った)
(そしてライダーの声が響いたと同時に海に浮いていた一隻の船に一人の少女が現れた)
ア「双方とも武器を納めろ!戦闘は終了だ!」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(『太陽神の息子』の放った一撃により、戦闘は強制的に終結した。が、その結末に納得できない者が1人残っていた)
アタ…アーチャー……ゼエ…ゼエ…何の…つもり……ですか…?
(肩で息をしながら憤る不知火に、3人の艦娘が駆け寄った)
陽炎「ちょっと不知火!あんた何やってんのよ!?司令もカンカンよ!」…それはこっちの台詞よ、陽炎…何故不知火の演習を邪魔したの…?
陽炎「はぁ……演習ねぇ…」霰「不知火…気付いてないの?」霞「まったく…アンタねえ、どっからどう見ても大破してんでしょうが!」え?………あ。
(ボロ…)
霞「いいこと?アンタ達は勝負がついているのに演習をやめようとしなかった。だからアタシたちが止めに来た。言いたいことは?」あ…ありません…
霞「よろしい!」陽炎「やれやれ…司令から伝言よ。『帰ったら一発殴らせ…ってちょっと!あんた何処行くのよ!」霰「不知火…」(覚束ない足取りで、不知火はライダーの元へ歩み寄った。見ると、ライダーもアーチャー、ランサーの2人から何事か説教を受けたようで、不貞腐れた顔で小舟に胡座をかいていた)
ライダー…フランシス・ドレイク。
ライダー「あん?」悔しいけれど…この勝負、貴女の勝ちよ。最後の一撃…不知火だけなら間違いなく倒れていたでしょう。
正直…指揮官としての貴女は好きになれない。けど、“敵”としてならば…こんなに血の滾る戦いは、もしかしたら初めてかもしれない…だから…貴女と、戦<あ>えて…よかった。
(戦いの激しさを象徴するように傷だらけになった右手を、不知火はライダーへと差し出した)
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