(さて、少し時を戻して鎮守府)
アーチャー(以下ア)「扶桑、と言ったか。此度はこんなことになって済まない」扶桑「いえ…提督に会いにいらっしゃったのに挑発されたからと言って演習場に案内したのはこちらですし…あの子の性格を考えると仕方ないのでしょうが…」ランサー(以下ラ)「アーチャー、ライダーが宝具を使うようだ、時間がないぞ」
ア「な!?ライダーのやつ、一体何を考えている!いくら大幅に弱体化しているとはいえ宝具なのに…直撃すれば、いやあの宝具を鑑みるに下手すれば直撃しなくても不知火が死んでしまう!」
ラ「先行しろ。オレが宝具を止める」
ア「頼んだ、ランサー」
(その声とともにアーチャーは霊体化して二人のもとに向かった)
(ちなみにその場で消えたアーチャーを見て扶桑は大層驚いたという)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドドドドドドドドドド…(降り注ぐ砲弾の嵐の中、雪崩を打って押し寄せる火船の群れを見上げながら、それでも不知火は悠然と立っていた)
(あの旗艦…いい“面構え”ね…漸く、骨のある相手に巡り会えたわ…)
(他の船たちも、先ほどまでとは“目の色が違う”…覚悟を決めたようね)
(フランシス・ドレイク…貴女は正しく英雄だわ。これほどの大船団に、唯の一言でここまでの覚悟を抱かせるのだから)
(けど、貴女を司令に会わせる訳にはいかない。司令は、唯の一度も自分の艦娘<ふね>に沈めとお命じになったことはない。その一点だけで、貴女は司令の顔を見るに“値しない”)
(そう…沈めと命ぜられていない以上、不知火はまだ沈む訳にはいきません。弾も燃料も残り僅かですが、最後まで足掻いてみせましょう)
…我が名は陽炎型駆逐艦弐番艦・不知火!
フランシス・ドレイク!一つ教えてあげるわ。貴女は『太陽を落とした女』と言った。けど、太陽は…沈んでもまた上るのよ。暁の水平線にッ…!!
(不知火の叫びに応えるように、不知火の背後、奇しくも東の水平線から、眩い光が立ち上った。ライダーが手で光を遮りながら目にしたのは、自らの艦隊と同じ、百を超える大船団だった)
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