三人はきっと、お役目に選ばれた時からわかっていた。

命の危険を覚悟の上でお役目に付いていた。

「勇者」だったのだ。

自分もわかっているつもりだった。
彼女達の背負っているものをわかっていた。――つもりだった。

須美、園子、銀。

世界の為に命を賭けて敵と戦う勇者。


……自分はその敵の姿すら見た事がない。


バーテックスの存在を知っていようと。どんなに一緒に特訓に打ち込もうと。

自分は勇者ではなかったのだ。


今までの自分を思い返すと滑稽で、とても情けない気持ちになった。


傷付いている須美と園子に、何と声をかければいいのかわからない。


銀なら、こんな時……



……銀に会いたい。


決意3