鉄男「神様ならなんで姉ちゃんを助けてくれなかったんだよぉ!!
姉ちゃん頑張ってただろっ!どーして姉ちゃんをっ…!!」


「やめなさい」

「こら、静かに――」

鉄男「姉ちゃんを返せよっ!連れていかないでくれよぉっ……!!」


大人達に押さえつけられ、連れ出される鉄男。

何事もなかったかのように振舞う大赦の大人達。


鉄男は間違っていない。
自分もそう思っていた。思っていたが、言葉には出せなかった。

同じ想いは自分だけじゃないはずだ。大勢いるはずだ。
三ノ輪家の人達。クラスメイト達。

須美と園子。

その全員が、言葉を飲み込んでいる。

これが大赦の教えなのか。

自分も大赦に染まってしまった一人なのか。


もしまた同じ事があった時、今と同じように黙っているのか?

それが大赦だというのなら、自分は――

須美と園子に視線を向ける。


その瞬間、消える。


須美と園子の姿が、式場から消えた。


決意7