(彼はしがない小説家で私はそんな彼の編集者
ただの仕事仲間だった私達の関係を崩したのは性別だった
彼は男で私は女、単純でいて馬鹿馬鹿しい理由だと我ながら思うけれどそれ以外になんてなくってそれでも付き合おうとしないのは彼には想い人がいて私には恋人がいるという現実があるからだ)
(出されたお茶を飲みながら彼の横顔を見ていると携帯が鳴りだした
表示されている名前は彼の名前でなんて間が悪いのだろうなんて呆れながら電話に出ようかと悩んでいると彼が此方に視線を向けた)
出ないのかい
君の恋人からなんだろう?
(君の恋人という単語に少し胸が痛むのを感じながら首を横に振った
こんな苦しい思いをするのならこの人を好きになるんじゃなかったと後悔をするのは何時もの事でそれでも止められないのは彼の人柄や気遣い…全てに溺れだしてしまっているからなのだろう)
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