…君は人の話を聞いていないようだね


酒を飲む気はないと言っているだろう
私はね、酒毒で父と兄を亡くしているんだよ



(元就は盃を握りつぶした
白い手甲は赤く滲み畳に溢れた透明であるはずの酒には赤色が混ざっている)









友人である君が…そんな私にお酌をしようだなんて…………酷く不愉快だ



(元就は苦しそうに顔を歪めている)





知らなかった
お酌する