(ちりんと鈴が鳴る
誰から聞こえた音だろう、ゆっくりと歩いては振り向くとそこには綺麗なかんざしを差した女の後ろ姿があった

ちりん、鈴が鳴る、女はそのままゆっくりと大門の方へ歩いていく…)


『ねぇ、もらった?』

『ええ、もらったわ』


(くすくすと笑う女の声、何を貰ったのかと耳を傾けていると女達はくすくすと笑っては包みを見せ合っていた)


『私は髪を…』

『私は文を…』


『やぁね、それだけじゃ足らないわ』


(二人の間を割って入るかのように女は笑う)







































『私はね、爪が欲しいわ……髪や文なんて所詮遊びよ

私は、あの人の爪が…指が……命が欲しいわ』














『貴女もそう思うでしょう?
盗み聞きしているお嬢さん』




朧気にうつるは君が姿