名無さん…だね
それじゃあそこに掛けてくれるかな
(そこに居たのは何時もの医師ではなく穏やかそうな人だった
けれど知らないという事はない、小児科医の毛利先生とは一部の奥さん方には有名だからだ
温厚そうで子供の相手が慣れており…母親の体調面も気にしてくれるそんな優しい先生と評判の先生で人によっては「うちの稼ぎの少ない旦那なんて捨てて毛利先生にアタックしようかしら」なんて冗談…いや半分くらいは本気かも知れないがそうした事を言う人も居るぐらいだ
白衣姿にシャツ…シャツの上からでもわかる、引き締まった身体……それでいてスクウェア形の眼鏡の奥にある優しそうな目元はぽやんとしている筈なのに何故だか妙に色気を感じた)
…ん?
どうかしたのかい
(首を傾げる毛利先生に何時もの先生は…?と聞くと困ったような表情をされた)
うーん…実は旅行に行くとかで何人か連れて行ってしまったんだよ
まぁ私は本来なら小児科医として働いているんだけど…なにぶんこうも少ないと回せられないという事でね
婦人科医の経験もあったから代わりに…という事さ
ああ、もし気になるようなら他の人に代わってもらうけど…
(その言葉に口から出たのは大丈夫ですという言葉だった
どうしてかはわからない、ただ何故だかこの先生がいいと思ってしまったのだ)
…ははははっ
そりゃあ良かったよ
それでは早速…診察といこうかな
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