(ぼんやりと大門の前に立っては考えていた
友人から聞いたあの人を此処から出す方法を………



一番の正攻法は…身請けなのだろう
金子を積み年季証文を買い取り遊男を貰い受ける…但しそれは…毛利太夫程となると金子の額が多くなるのは当然な事だ

二番目は年季奉公を勤め終える事……しかしその間にあの人が病を患ってしまったら?他の妓楼に売られてしまったら…?………考えるだけでも寒気がする…


三番目は……足抜け……花街から逃げ出す事だ
…友人曰わく…逃げた事を知られれば花街の連中は躍起になり捜すだろう…そして見つかってしまっては…折檻をされる
基本的にその折檻とは身体を傷付けない精神的苦痛な物が多いそうではあるが…事と次第によっては竹や棒で打たれ…死に至る事もあるそうだ
………恐らくは毛利太夫はその折檻に怯えていたのだろう、話しを聞くだけでもおぞましいそれらは…あまりに酷であった)
















(息を吐き出しては大門をくぐり抜け歩いていく…………今日は何を話そうか…
鳥籠の鳥、飛ぶことを知らず