これは遠い昔のどこかにあったかも知れないお話し。
父親が入院している病院の近くに佇む大きな家に住みだした家族がいました。
大らかでいつも優しい母と冒険とポケモンが大好きな完璧な兄、そんな兄に憧れる弟と仲睦まじい家族でした。
屋敷は作られた時期が昔だったのか歩く度にぎしぎしと鳴る床に弟は驚いておりましたが兄はまだ会ったこともない強いポケモンがいるかもしれないとわくわくした様子でずんずんと進んでいきました。
ふいに壁に違和感を感じバンバンと鍛え上げられた太い腕で叩くものですからセットが壊れ階段が現れました。
へし折れた木材を軽々と避けながら階段を登っていくと壁に深く入った溝を見つけました。
兄はわくわくした様子でこれまたずんずんと近付いてきます。
溝の中にはもぞもぞと動く何かがいました。
壁が邪魔だったのでひき剥がしてみるとネマシュがびっくりした顔で兄を見ていました!
どうやら隙間が出来ており、真っ暗で襲われる心配もないのか住処にしていたようでした。
兄はモンスターボールをバッグにしまったままだった事を思い出すと困惑したままのネマシュを素手で抱え来た道を戻っていきます。
兄は弟に抱えたポケモンを見せると弟は大変喜んでおりましたが、壁だった木材に気付くとびっくりしてしまいました。
ネマシュはその隙に逃げようとしましたが腕が力強くどう足掻いても離れることができなかったのでスタッフが回収しました。
ある日弟がウールーと庭で遊んでいるとゴンベが歩いていることに気付きました。
兄を呼ぼうにも今の時間はスクールに行っておりきっとポケモンバトルを楽しんでいることでしょう。
初めての冒険に気合いをいれるためぱちん、と兄のように頬を叩くとウールーと一緒についていくことにしました。
深い森の中、時折聞こえる様々なポケモンの声…大きなひこうタイプのポケモンが羽ばたく音…未知な事ばかりでした。
時折ウールーが威嚇のためか兄のリザードンの鳴き真似をしていたので弟は怖さもなく森の奥へ進むことが出来ました。
ふとゴンベが目の前から姿を消してしまった事に気づきました。
ウールーと一緒に周囲を歩き回っていると…ふっくら大きなポケモンがぐーすかと寝ていました。
起こさないように慎重に近付いてみると真っ白なお腹に顔を埋めて眠る兄の姿が…
カーット!!!!!!