(遠い群青に黄色が差し込む頃ヤローの仕事が始まる。
太陽の明かりも少なく、夜の肌寒さが残る中太くしっかりした足が大地を踏みしめた。)








…今日は晴れ、良い放牧日和だわ



(にこにこと嬉しそうな笑みを浮かべては今日のスケジュールを頭に組み込んでいく
生き物を扱っている分スケジュール通りにとはいかないがやるべき事は多く、考えなくてはならない立場だった。

子供の頃は家の手伝いだけで済んでいたものの、大人になりターフタウンでも強い者となれば仕事は減ることを知らず…今はジムリーダーをも任せられる程となった。

ただ本人は一度も仕事に対して厳しいだとか辛いだとかを考えた事はなかった。
そりゃあほんの少し休み時間があれば昔のようにポケモンたちと昼寝をしたり、明日を考えずに星空を眺める事もできたのだろうが、自身は農家出身忙しい事には誰よりも慣れていたし、命との隣り合わせの仕事なのだから休みが無いに等しいのは当たり前のように思っていたからだ。)


……ん?


(農具をしまっている納屋の扉に触れた時、ふとヤローは空を見上げた
夜のとばりが開き少しずつ赤を覗かせた、溶けかけた夜の中には一際輝くねがいぼし

それはあまりにも美しい空だった。)



…あのお二人さん元気にしとるじゃろか


(2つ並んで流れゆくねがいぼしはまるで少し前に飛び込んできた若者たちのようだった。
きらきらと輝く光は未来と例えるのに相応しいほど美しい。

ヤローはパチッと手を叩いては目を瞑る、彼等の旅が無事に続くことを願って…。)



(RA)
キバナさん的にはグラッとくる時もあるわけ?