(キバナが怪我をしたあの夜から数日が経過した。
あの日は結局キバナの家には行かず、怪我が治るまでの間安静にという話になっていた


様々な出来事を思い出しては貴方は赤く染まった頬をおさえる
どきどきと跳ねる心臓はまるでスキップでもしてるのかと思うほどに軽やかに弾む


もしも、もしも電話が来なかったらどうなっていただろうか?
そんな思考に足元がふわふわと柔らかく感じた。)






(待ち合わせ場所まであと少し、そう歩いていると壁沿いに建てられた店から出てくる見慣れた身長が視界に映り込むと心臓が大きく跳ねた
どうしていいかわからず横を向きガラスに反射する姿をチェックする

髪やメイクが崩れてないか、服装に乱れがないか入念にチェックをした後息を吐くと身体を向ける
キバナは人に囲まれていたが…)









     み つ け た




(声には出されていない
それでも伝わる口の動きは二人の心が少し近づいたからだろうか?

遠くからでも重なった視線は柔らかな光を帯びていた)








(貴方は…、)




Strelitzia