「わぁ…!」
(言われるまま振り向くと、今のぼってきた坂道がキラキラと輝いていた。正確に言うと、通り過ぎてきた家が、だ。それぞれの家の屋根にもイルミネーションがびっしり飾られていたのだ。)
坂のぼってるときはやけに明るいってだけで気がつかねーけど
ここまでのぼってきて見ると、わりと絶景なんだよ。ここ。
「すごい、凄く綺麗…。」
ま、お前の家のイルミネーションほど凝ってはねーけどな。
(感動してイルミネーションに夢中になっていると、ばさりと肩にコートをかけられた。)
「?」
ここ、少し風強いから。これ羽織っとけ。
(そう言われ、びゅうっと強めの風が吹く。あぁ、このためにわざわざコートを持っていたのか。)
(少し大きめのコートをぎゅっと被ると、ほのかにロヴィーノの匂いがした。)
……それと…これ…。
(同時に差し出してきたのは小さな箱。貴女はその綺麗に包まれた箱を受け取った。)
お前にやる…。俺からのクリスマスプレゼントだ。
…開けてみろよ。
(そう言われ、綺麗な包み紙を傷つけないようにはがす。箱から出てきたのはシンプルで細めのネックレスだった。)
「これ…」
色々なにがいいか考えたんだけどよ…その…お前の好みとかよくわからなくて…。
そんで店頭でそれ見つけたとき、お前に似合うんじゃねーかと思ってさ。
(シャンパンゴールドのチェーンと、同じ色の小ぶりな三日月型のチャームが付いている。)
まぁ、気が向いたらつけろよ。そんな高ぇもんでもねーけどな。
「ううん、すごい…すごく嬉しい…!ありがとう!」
ふっ…、そんな喜ばれるとは思わなかったけど…気に入ったんならホッとした。
感謝しろよコノヤロー!
(冗談ぽくおデコをつつかれ、二人してイルミネーションの方へ向き直る。)
……
なぁ…