ん…、これって…
「バレンタインのチョコレートだよ。」
…そうか。Grazie.
(じっと箱を見つめ)
な、なぁ…このチョコって…
「一応手作りだけど…失敗はしてないよ?」
いや、そうじゃなくて…
ほら、あるだろ、お前の家でバレンタインに渡すチョコって…
「?」
……な、なんでもね。忘れろコノヤロー。
あとこれ。お前にやる。
(ぽんと可愛らしい箱が手に乗せられた)
俺ん家では恋人同士の日で、男が女の子にプレゼントしたりするんだけどよ
お前の家では恋人だけの日じゃねーんだろ?
そんで、チョコ渡すのが主流だって聞いて…作ってみたんだよ。
(箱の中身は手作りのチョコレートだった。)
…お前とかぶっちまったし、人にチョコ作ってあげるなんてしたことねーから美味いかわかんねーけど…一応…。
あ、別に特別な意味なんてねーぞ!特別な…意味なんて…
(そこまで言うと、ロヴィーノは取り繕うように視線を逸らした。)
…、と、とりあえずコーヒーでも飲もうぜ。
寒くなってきた。
(そう言ってキッチンへと向かって行ってしまったロヴィーノ。)
(仕方なく貴女はリビングのソファに腰を掛ける。)
→