ん。
(さっきまでキッチンにいたロヴィーノが戻ってきて、唐突に小さくて可愛らしいカップを貴女に差し出してきた。)
これ、お前にやる。
(そう言われてカップを覗いてみると、中にはプリンのようなものが詰まっていた。)
(上には白いクリームと小さなミントが添えてあって見た目も可愛い。)
「これは?」
ババロアだよ、かぼちゃの。
ハロウィン…何もしてなかったから作ってみただけだ。
で、余ったからお前にやるっつってんだよ。
(あぁ、ハロウィンか。と、納得してカップをよく見るとジャックオーランタンの形をしている。)
まぁ、余っただけだからいらねぇならいいけど…。
(ううん、貰うね。と貴女はお礼を言って、チラリとキッチンを覗いてみる。)
(「余った」と強調する割には多過ぎるくらいの試作品らしきババロアがシンクに並んでいた。)
今更だけど…ハッピーハロウィンだちくしょー。
(一口運んだかぼちゃのババロアは、少し甘めの秋の味だった。)
遅くなったハロウィン