(これって人の声だよね?)
(問いかけると、お豊は顔を上げた)
(耳を澄ませると、サンジェルミの呼ぶ声が聞こえる…ような気がする)
…おかまの声じゃな。
○○、立て。
(お豊がそう言うと同時に、背後で蓋が開く音がした)
(新鮮な空気と共に階段の途中まで明かりが入り込んでくる)
(逆光でよく見えないが、入り口からこちらを覗いているのはサンジェルミのようだ)
おかま「○○でしょ!○○よね!?居るんでしょ、返事しなさいよ!!」
(居るよ!)
(そう返すと、サンジェルミは大きく息を吐いた)
おかま「もう!探しまくったんだからァー!!ホラ早く出てきなさいよ!」
…おかまもお前が心配だったんだろ。
ほれ、早う行って安心させてやれ。
(お豊が優しく背中を押す)
(貴女は促されるままに階段を
上った)