(腕を引かれるままに厨房に転がり出て顔を上げると、そこに居たのは)
(お豊だった)
一人で鼠退治とは、勇敢だのう。
俺が合流するまで待てんかったか。
(…?)
(お豊、今まで私と一緒に地下室に居たよね?)
…?
何のこっじゃ。
俺はずっとおかまん部屋におったど。
じゃっどん、待てど暮らせどお前が戻らんかったからのう、こげんして探しちょった。
(…???)
(混乱しながら後ろを振り向くと、開きっぱなしの蓋の向こうに暗い地下室が見えた)
(お豊が点けた火はこの位置からなら見えるはずなのに、階段の下には暗闇が広がるだけだ)
おかま「もう!待ってなさいって言ったのに行っちゃうなんて、どんだけせっかちさんよ!
ものの5分じゃないの!!じっとしてなさいよォ!」
(5分…?30分は待ったよ)
おかま「30…?
無い無い無いわ、アタシ昼寝中のトヨちゃん叩き起こしてすぐ戻ったもの。
掛かっても10分よ」
ははァ、さては寝とぼけっとか。
そいに、ないごて俺の装束ば着て…
○○お前、下、裸か!!衣はどげんした!!おかま「ハッ、ハダカッ!!?その超ミニ丈の下、ハダカ!!?
ちょっと…え!?何で鼠退治でハダカになんのよ!
服は…あ゛ーッ!!もう手の掛かる!!」
(サンジェルミが羽織っていたガウンを着せてくれた)
おかま「しかもよく見たら泥だらけじゃないのよ!
誰か湯ーッ!!湯を
沸かしてーッ!!」