(とにもかくにも、蓋を開けて脱出しなければ)


(先程とは違い、炎のお陰で階段も難なく上る事が出来る)

(蓋の位置まで上り、二人でそれを下から支えるように手を添えた)


せーの、で力入れっど。

ッし、…せーの!


(ふんぐぬぬぬ!!)


ギィ…


(んぐぅおお…!!)


ギ……


…ッかー、上がらん。重かのう。


(扉は僅かに軋んだだけで、持ち上がることは無かった)


しかも、こん蓋、こちら側は鉄製か。
表面は木製じゃったで燃やそうかと思うたが、無理じゃな。


(お豊が拳で蓋を叩くと、ゴォンという鈍い音が響いた)

△お豊と二人で蓋を開ける