(お豊はまた貴女の腕を手探りで探し当て「布」を受け取った)


何だこいは。布か。
こいなら燃えるかもしれんのう。

○○、そけ動くな。


(言われた通りじっとしていると、前方の暗闇からカンッという何かを打ち付ける硬質な音が聞こえてきた)

(音がする度に火花の様なものが散っている)


(カンッ、カンッ)


(何度目かの音の後、何かが焦げるような匂いが漂ってきた)

(暗闇にぼんやりと、赤い光が灯る)


(火だ!!)


(お豊は手際よくその火種を「布」に移し、息を吹き掛けながら火を大きくしていく)



(やがて火は当りをほんのり照らす炎になった)



明かりだー!!
△この綿、どうにかして燃やせないかな?00