(他の皮膚とは違う白っぽい筋をなぞると、お豊が少し身じろぎした)


そいは、初陣の時の矢傷じゃ。


(耳元で喋っていることに気を使ってくれているのか、いつもよりも小さく低い声だ)


戦さん出る度、傷ば増える。

痕にはならんもんもあるがの。

△古傷を指でなぞる