おう。
(翌朝広間へ降りると、お豊が暖炉に火をくべているところだった)
今日は早いのう、○○。
冷ゆっだろ。
部屋ばぬきなるまで、何か羽織っちょれ。
(そう言って再び暖炉に向き直ったお豊の背中を見ながら、何と無しに尋ねてみた)
(昨日、夜中に起きてどこかに行かなかった?)
…はン?
………

行っちょらんど。
部屋んずっとおった。
……何ぞ、俺の生き写しでん見たか。
さては妖かの。
(にやっと口角を吊り上げたお豊に笑いながら、手近の毛布にくるまってソファに身を預ける)
(それと同時に、火種が薪に燃え移った)
………
…妖でん、悪か夢ば見る、ちゅうこっか。(ポソリと呟いた言葉が貴女の耳に届くことは
無かった)