おう。


(翌朝広間へ降りると、お豊が暖炉に火をくべているところだった)


今日は早いのう、○○。

冷ゆっだろ。
部屋ばぬきなるまで、何か羽織っちょれ。


(そう言って再び暖炉に向き直ったお豊の背中を見ながら、何と無しに尋ねてみた)



(昨日、夜中に起きてどこかに行かなかった?)



…はン?


………







行っちょらんど。
部屋んずっとおった。


……何ぞ、俺の生き写しでん見たか。

さては妖かの。


(にやっと口角を吊り上げたお豊に笑いながら、手近の毛布にくるまってソファに身を預ける)

(それと同時に、火種が薪に燃え移った)


………







…妖でん、悪か夢ば見る、ちゅうこっか。


(ポソリと呟いた言葉が貴女の耳に届くことは無かった

▽17_sekigahara06