(行きと同じく空神様が先導してくれている)
ペース落ちてんぞ!
後少しだから頑張れよ!
(貴女よりも遥かに多くのカカオを持ちながらも空神様の歩くペースは全く乱れない)
(悪路に体力を奪われ息が乱れ出した時、)
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GRRRRRR!!
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(遠くから聞き覚えのある咆哮が聞こえてきた)
アイツら……
(空神様はしかめっ面だ)
カカオ難民、このまま、真っ直ぐ!
(一旦カカオを地面に置いた空神様が右手をスーッと前に伸ばし、左手の人差し指と中指でその先を指し示した)
真っ直ぐ!進む!
いいな。
真っ直ぐ!
進むんだぞ。
(何度も同じ言葉を繰り返している)
(頷いてみせると頭を軽く撫でられた)
やっぱアンタは賢いよ。
……今日はありがとな。
色々と面白かった。
イタリア人以外の人間と話したのは久方振りだったしな。
(言いながら、地面のカカオを拾い上げて貴女の肩に落ちないよう掛けた)
手で持つよりゃあ軽く感じんだろ。
さ、行けよ。
もう迷子になるんじゃねーぞ。
(空神様はそう言い残して、咆哮が聞こえた方角へ
消えていった)