(声色に怒気は感じられないが、如何せん顔が見られないので感情を推し量ることができない)

(身を固くしてじっとしていると、お豊が手で側頭部を押してきた)







(されるがままに首を捻ると、鼻先が触れ合いそうな位置でお豊が不適に笑っている)


てんごも程々んせいち、言うたな?


(貴女の頭に添えた手とは逆の手がストールの下をまさぐり、やがて札の在処を突き止めた)

(お豊は一切目を逸らさない)

(紙を握る乾いた音と共に首の違和感が無くなった)





……さて、そいなあ俺の名前ば、呼んでくいや。


………と、豊久
★やばいトイレ近い漏れる02