(一定の距離を保ちながらヴェルリナを徘徊するお豊のあとを追いかけてみた)

(お豊に背後を気にする素振りは無い)

(それどころか、お昼寝定位置に辿り着くとゴロンと横になってしまった)

(全く盛り上がりどころの無い尾行である)


(………)


(と思っていたら、横になったお豊が片手を少し上げ指をクイクイと動かしている)

(積まれた樽の陰からその不思議な行為の意味を推し量っていると、今度は動かしていた手をバンバンと地面に打ちつけだした)


(………)



バンバン



(………)




尾行する