(そんなこんなで、お豊と一緒に鼠退治をすることになった)




(厨房の床には年季の入った木製の扉…もとい蓋が鎮座している)


入り口はこいじゃな。


(木製とは言っても重厚なその蝶番式の跳ね蓋を、お豊は軽々と開けた)

(地下へと階段が続いているようだ)


俺が先に行く。
お前は俺の後ばついて来いやい。


(そう言うと、お豊は地下の暗がりに消えた)

(その後を追うようにして石造りの階段を下りて行く)


難儀だの。厨房の明かりではほとんど何も見えん。


(少し先の方で喋るお豊の声が壁に反響して響いている)

(本当だね)

(そう言おうとした矢先、背後でバァンと何かが閉じる音がした)


………


(…真っ暗だ)

(厨房からの僅かな明かりも遮られ、地下室は漆黒の闇に包まれている)


……扉ば閉まったか?
○○?
おい、○○どこんおる。


(お豊が貴女を呼ぶが、反響のせいで居場所が掴めない!)


○○ー?

16halloween04