(ある日の夕暮れ時)
(ヴェルリナの居所に何台もの馬車が入れ替わり立ち替わりやって来ていた)
(大きな壷のような物を屋内へ搬入してはガタゴトと荷台を揺らして来た道を戻っていく)
(半刻前から絶えず続くその様子を窓越しに眺めていると扉をノックする音が室内に響いた)
(上の空で返事した後に入ってきたのは「○○さん○○さん!」と語調を弾ませたオルミーヌだった)

○○さん!吉報ですよ、吉報!
私も今しがたサンジェルミ伯に聞いたんですが…
…あ!馬車に気付きました?
実はそれと大いに関係あるんですよー!
(すぐ傍へ近寄って来たオルミーヌは窓にへばりつきながらソワソワと体を揺らしている)
いま運び込んでいる水瓶、あれ全部温泉らしいですよ!
温泉!!何でも伯の領地内には熱いお湯の湧き出る川があるらしくて……
あ、いえ、川は普通の川なんですけど、岸辺に湧き出ているらしくてですね、これが結構熱々なんですって!
(オルミーヌは興奮気味に喋り続けている)
この戦いが始まるまでは伯が時々屋外の浴場として利用してたみたいなんですが……ってこんな話どうでも良いですよね!?
というか、私が伝えたかったのは『せっかくの温泉だから今日はちょっとだけ長風呂しましょう!』ってことなんですけど…
…どうですか?
えーっと、○○さんに時間があるなら、ですが……
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長風呂するする!