与一「はい、信。お水でいいんですよね?」
信「悪い」
与一「お豊は?」
お豊「俺はさっき飲んだかあ要らんど」
信「しっかし、えらい目に合ったわい…久方振りの温泉でしっぽりやろうと思っただけだっつうのにこれだ」
与一「だからやめろって言ったんですよ」
お豊「あげん脆か壁は普請したもんの手落ちだのう」
与一「……確かに押したくらいで壊れる壁っていうのもおかしな話ですね。あの浴場は天井が無いですから、継ぎ目が風雨に晒されて腐っていたんでしょう」
信「……で、お豊」
お豊「何じゃあ」
信「お前、見えた?」
お豊「……何がじゃ」
信「んなもん決まってんだろうが!俺ァ瓦礫に足を取られてスッ転んどったから見えんかったが、お前はずっと立ってただろう?見えたか?」
お豊「……んーそうだのう…」
与一「お豊、いちいち真剣に受け答えしなくてもいいんですよ」
お豊「おるみぬは○○に隠れて見えんかったど。○○は、見えた」
信「本当か!?」
お豊「後ろ姿だけじゃっで、信の期待するよなもんは見ちょらん」
信「ハァ〜…
ああ、どうやって○○に言い訳しようかにゃあ。オルミッパイもまた暫く口きいてくれんだろうしなァ〜」
与一「自業自得ですよ」
17ひな祭り15