(まだまだ冷える冬の日)
(牛馬家禽に餌をやり終え、夕食を取るために広間を横切ろうとその扉を開くと、)
信「おッ、来たな!」
オカマ「噂をすれば影ね」
おるみぬ「○○さーん、夕食の前に少しいいですか?」
(なぜかいつものメンツが円卓に揃っていた)
与一「お豊、もうちょっとこっちに詰めてくれます?○○さんの椅子、そこに置くので」
お豊「おー」(ズリズリ)
(訳が分からないまま皆に促されて用意された椅子に座ると、パン!と手を打ってサンジェルミが立ち上がった)
オカマ「さーァ!今日の主役が席についたわよ!アータたち、用意はできてるわね?」
おるみぬ「フッフッフ、
もちろんです!ちゃんと事前に伺って準備してましたよ!」
お豊「何じゃあ、おるみぬは前かあ知っちょったんか。俺は昨日初めておかまに聞いたど」
信「俺もだ」
与一「右に同じー」
おかま「だまらっしゃい!!バレンタインデーが壮絶すぎてアンタたちにまで気が回らなかったのよ!!大体ホワイトデーってニホン発祥じゃない!アータたちは知ってて当然だと思っちゃってたしィ!!」
信「うるせー!発祥も何もウン百年も後のことなんざ知るか!
…あッもしかしてオカマァ…自分だけ抜け駆けで○○に取り入ろうとか思ってたんじゃねェだろうな?抜け駆けか?
抜け駆けなのか?」
オカマ「アータ、バカなのォ!?アタシが抜け駆けで株上げしにいくようなオカマだと思ってたワケ!?」
与一「まあまあ。今日は『ほわいとでー』なんだし、喧嘩する日じゃないでしょ?もっと大事なことあるんじゃない?」
おるみぬ「そうですよ!今日はバレンタインデーのお礼をする大切な日なんですから!」
お豊「そん『お礼』も、急じゃったかあ手のこんだもんは用意でけんかったがの」
信「くぅッ!○○は自分の身を危険にさらしてまで『ガトーショコラ』っつー甘味を作ってくれたってのに…オカマのせいで……」
オカマ「
わーったわよ!ホワイトデーを事前通告しなかったのはアタシの落ち度!!ごめんなさいねェ!?
でもアタシが協力出来る範囲で色々手伝ってあげたんだから相殺!相殺よ!イイわね!?」
信「ハイ開き直った!!
オカマ開き直ったー!!」
おるみぬ「ちょ、お二人ともォー!」
与一「んー、よし、いいや。痴話喧嘩してる二人は放っておこう。全然進まないので」
(言いながら与一は椅子の背に掛けてあった手提げ袋から小さな巾着のような
包みを取り出して卓上に置いた)