オカマ「さて、アタシの番ね。はい、○○。コレをアナタに贈るわ」
(サンジェルミが取り出したのは、両手でようやく抱えられるほどの花束だった)
おるみぬ「わ、うわぁー!!綺麗…すごい……素敵!こんな大きな花束、どうしたんですか!?」
オカマ「どうって、もちろん買ったのよ。ちょうど顔の利く花屋があったから、とびっきりイイお花でブーケを作ってちょうだいって頼んだの。まァ、確かにかなり良い見栄えだわ」
与一「こちらへ来てから植物はたくさん見てきましたが、これは僕の知らない花ですね」
オカマ「色は二色だけど、全部ライラックよ」
おるみぬ「なるほど、『友情』ですか」
オカマ「ちょっと!アタシが言おうと思ってたのにどうしてアータが先に言うのよォ!」
おるみぬ「すすすみません!」
お豊「ほう」
(お豊はしげしげと花を見つめている)
お豊「こん花には『友情』ちゅう意味が込められとるんだの」
オカマ「他には『恋の芽生え』だとか『無邪気』とかね。後は『若さ』とか」
おるみぬ「(そ、それって伯が欲しいものなんじゃ…)」
与一「それってサンジェルミ伯のほし、ングッ」
おるみぬ「シィーッ!!それ以上は言っちゃ駄目です!!」
オカマ「……まァ、いつもありがとってコト。それが伝えたかったのよ。言葉だけじゃなく、何か形あるものと一緒にね」
(言葉を切ったサンジェルミに視線を移すとツヤツヤの唇が弧を描いた)
オカマ「○○、アナタにはいつも楽しませてもらってるわ。色んな意味でね。時々ナニやってんのよ…って思う時もあるけど、大抵は笑い話になるし一緒に居て全然飽きないわ。
もちろん、これからもアタシを楽しませてくれるんでしょ?」
(その言葉に頷くとサンジェルミも同じく満足げに頷く)
オカマ「フフン。頼むわよ、じゃじゃ馬ちゃん。アタシ、退屈なの大嫌いだから」
(サンジェルミから紫と白のライラックの大きな花束を貰った)
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