ッと、


(抜けた拍子にお豊が二、三歩よろけて壁に手をついた)

(貴女はようやく訪れた開放感にしばらく放心していたが、洗濯物を小脇に抱え直して床に散らばる薪を拾おうと、)


よか!


(したのだが、お豊に止められた)


…よかじゃっで、お前はそん洗濯もんを直せ。


(でも、と食い下がろうとしたが、背を向けたままのお豊がその声を遮った)


気持ちだけ貰うておく!

…俺の仕事じゃ、俺がやっど。
お前も己の役をせい。


(問答無用の声色だ)


他んもんがこん通路ば通らんうちにはよ。


そ、そう?分かった。ごめんね、ありがとう!
semaituuro03