ッと、
(抜けた拍子にお豊が二、三歩よろけて壁に手をついた)
(貴女はようやく訪れた開放感にしばらく放心していたが、洗濯物を小脇に抱え直して床に散らばる薪を拾おうと、)
よか!(したのだが、お豊に止められた)
…よかじゃっで、お前はそん洗濯もんを直せ。
(でも、と食い下がろうとしたが、背を向けたままのお豊がその声を遮った)
気持ちだけ貰うておく!…俺の仕事じゃ、俺がやっど。
お前も己の役をせい。
(問答無用の声色だ)
他んもんがこん通路ば通らんうちにはよ。
→
そ、そう?分かった。ごめんね、ありがとう!