○○「何でこんな事を?」
ぬえ「………」
○○「よりによって、何で神社に」
ぬえ「………」
○○「あーえっと…」
駄目だ。
何も話す気ないな、こいつ。
とりあえず、靴を脱いで、部屋にあがる。
ぬえの横まで歩いて、横に腰を下ろす。
うつむいていて、表情は見えない。
だがおそらく、良い顔はしていない
俺は、ゆっくりと話しかける。
○○「なぁ? ぬえ、いつまでも此処にいたって霊夢に迷惑g…」
突然。
飛び掛ってきた。
いや、抱きしめてきた。
すごく、強く。
○○「…あの、ぬえ、さん?」
ぬえ「……どうして」
○○「え?」
ぬえ「どうして、ナズなんだろ」
○○「どういうこと…?」
ぬえ「わからない。 なんでお前みたいな人間なんか」
ぬえ「人間なんてだいっきらいだ。 すぐ虐めるし、よってたかって妖怪を見下して」
ぬえ「ちょっとした冗談も、悪戯も。 人間の子供がやるのは許して、私のはどうして許せないの?」
○○「おい、いきなり…」
何を、言ってるんだ。
ぬえは、ゆっくりと体を離して、それでも近いけれど、離して。
じっと、俺のことを見た。
やっと、顔が見れた。
涙の跡だ。
長らく、泣いていたらしい。
そしてその表情は。
いつもの明るい笑顔からは想像できないほど、暗かった。
ぬえ「ずっと、人が嫌いだったんだ」
目を離さずに、言う。
ぬえ「全部居なくなればいいって思いながら、それでも、白蓮のところに来る人には愛想よくしてた」
ぬえ「嫌われたくないからとか、そんなんじゃないよ? 皆に迷惑かけたくなかったから。それだけなの」
そう言って。また、顔を伏せる。
ぬえ「そしたら、○○が来たんだよ」
……そうだ。
ある日突然、ナズが連れかえってきた変な人間。 外界の男。
馬鹿で、くだらないことばっか言ってて。 エロで下心丸見えの変な奴に見えたに違いない。
でも、それが一体なんだ?
ぬえ「……最初は、いつもみたいに明るく、無害そうに接してた」
○○「………」
ぬえ「でも、だんだん打ち解けてきた。 そのうち、私がちょっとした悪戯しかけてみたんだ」
○○「……」
ぬえ「君は怒ってたけど、でも笑ってたし、すぐに許してくれた」
ぬえ「それが楽しくなって。 そのうち毎日そんなことをしているようになって」
ぬえ「そしたら、急にナズが嫌になってきた」
○○「………なんで」
ぬえ「わかんなかった。 全然。 君とナズが一緒に居るのがどうしても許せなくなった」
…それは。
もしかして。
ぬえ「あは、……そうだよ。 地底の橋姫みたいに、なったんだ。 私」
ぬえ「君が、好きになってた」
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名前:ナズーリン
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