○○「12/23、か」

 今日は朝から暇だった。
 そしてなんとなーく自分の部屋でカレンダーを見ていて思い出したことがある。
 幻想郷に流れ着いて、現代風の生活を捨て、古風な生活に慣れてしまっていたせいか、その前日まで全くもって忘れていたことが。

「あしたクリスマスイブ?」

 ということだ。

 ・・・なんてことだ。

 毎年毎年クリスマスは特に相手がいないが故に一人で過ごし、道行くカップル、もといリア充どもに爆発しろオーラを送っていた。

 だが、現在。

 俺には・・・?


「ご主人~? 宝塔を見つけてきたぞ~? どこいった~?」

 廊下からナズの声が聞こえて露骨に驚いた。 声は出ていないからセーフだが。


 そう、ナズがいるじゃないか。

 別に恋人という訳ではないが、それでも割と仲の良い相手だと思う。

「○○? ご主人知らないか? 部屋にいないんだが・・・・・・○○? 居るんだろ?」

 で、多少こっちの気持ちには気づいている感じ、はある。

「・・・悪いが、入るぞー? ん、おーい? 何をやっているんだ君は」 

 つまり脈アリ! いや、そういう経験ないからわからないんだけどね!

 でもそんな気はする。 自意識過剰なんかじゃなくおそらく・・・!

ナズ「おい」

○○「うおッ!?」

 露骨な驚き2nd。

 カレンダーのかけてある壁から振り返ると、いつの間にかナズが居た。

ナズ「なんだよ。入ると言っただろう。 どうしたと言うんだ」

 ジトーっとした目でみてくる。

○○「え、いや、考え事。うん、そう」

ナズ「・・・妄想癖」

○○「おい。なぜそうなるんだ」

 考え事くらい誰だってある。 さっきのは確かに妄想だった・・・ような気がするが。

○○「えーっと、で何?」

 そんなことより、何故この部屋に来たんだろう。

ナズ「聞いていなかったのかい? ご主人が見当たらないんだ。 知らないか」

 星さん? いや。

○○「見てないけど」

 朝起きるのが遅かったせいだろう。 朝から見ていない。
 
 だからいつもの「ナズーリン頼みたいことがあるのですが」的な展開を見逃した。

 
「そうか・・・うん、わかった」

名前:ナズーリン
集めた宝物52

あ、宝の反応だ!

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