ナズ「自分から言いたかった?」

ふふふと笑って、言う。

○○「それはもう、とっても」

 こういうものの誘いは普通、男からするものだ。

 と、少なくとも俺は考えている。

 それが、特別な日であればなおさら。

ナズ「そうなんだ。それは悪いことしたね」

 あまり悪びれる様子はない。 俺をからかっているな、こやつ。

ナズ「でも、ね。 私もそうじゃないかって、少し期待していたんだ」

 ・・・・・・へ?

ナズ「部屋に入ってきたら、カレンダーをじーっと見てたから」

 ・・・・・・・・・。

 バレてたか。 

俺の心境など気にせず、ナズは続ける。

ナズ「で、ね。 君が何か言い出すような素振りだったから、その・・・」

 ・・・・・・ぅ。

ナズ「待ちきれ・・・なかったんだ///」

 ・・・な、なんなんだこれ。

 なんなんだ! いつもと全然様子が違う・・・!

ナズ「気にしないでくれ、ちょっとそういう気分なだけ」

○○「・・・どういう気分だ、明らかに異常だぞ」

ナズ「その言い方は、ちょっと失礼」

そうだったか。

ナズ「で、結局、明日はお暇?」

目を細めて訊いてくる。 本当に別人みたいだ。

○○「もちろん、こっちから誘おうとしているって分かってたんだろ? だったら予定なんざあるわけないことくらい分かるだろ賢将」

ナズ「そりゃ、ね。 でも、あえて言わせたかったというか」

なんだそりゃ。

ナズ「いいだろ別に。 今日は、寺を出る前に起きている君に会えなかったから」

○○「悪かったな」

寝ぼすけで。

ナズ「だから、寂しかった」

 異常だ。

 これは異常としか言いようがない。

 ナズが、ゆっくりと、目を閉じて。
 
 ゆっくりと、こちらに近づいて・・・。

 いや、顔だけが、近づいてくる。

 ま、まさか。

 まさか!


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名前:ナズーリン
集めた宝物52

あ、宝の反応だ!

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