……あ、目が覚めましたかぁ？

安心してください‥ちょっとの間だけ、体の自由を奪っただけですぅ‥。
すぐに動けるようになりますからぁ‥。

ごめんなさい、こうでもしなきゃ私の話なんて聞いてもらえないと思ったので…。

そんな顔‥させてしまったんですね‥‥私‥。
壊してしまったんですね‥大好きなあなたを……私が。

だから、えっと‥‥ごめんなさい。

私、あなたのためなら何でもするって、前に言いましたよね？

あなたは世界に必要な人です‥だから、私が消えます…。

私、あなたがいない世界で‥生きていくのは嫌なんです…
でも‥あなたに嫌われたまま生きていくのも、耐えられないから‥

さよなら、相原さん。

世界で一番、大好きでした‥。えっと、あの‥‥幸せになってくださいね…。

（それが、彼女を見た最後だった。最後に見た彼女は、間違いなく罪木蜜柑だった。

やっと自由になれたのに・・なんで、こんなに虚しいんだろう‥。）