第3話【桜嵐】外套と大根2
ベルファスト「……経緯はどうあれ、助かりました。感謝いたします。」

赤城「あら、あなたは……新艦かしら?」

ベルファスト「いいえ。私はこの世界の艦船ではありません。」

加賀「ということは……」

ベルファスト「おおよそお察しいただきました通りかと。
名はベルファスト……メイドのベルファストと申します。以後お見知り置きを。」


私は蒼龍!ベルファストっていうことは英国艦だね。

飛龍「エッッッッッッッ!!!(飛龍です!こちらこそよろしくね!)」

瑞鶴「瑞鶴よ、よろしく。あなた、セイレーン……とは違うよね、どう見ても。」

翔鶴「翔鶴です。ということはあなたがあちらの世界の艦娘、いえ、艦船……。
本当に私たちにそっくりね。」







ピュリファイアー「ほっといていいの?あいつらなんか話し込んでるけど。」


オブザーバー「心配いらないわ。別に話されて困るようなことは彼女たちは知らないはずだもの。」



赤城「なるほど。ご友人、そして帰還方法を探してらっしゃるのですね。

ご友人についてはわかりませんが、帰還方法に関してはご安心を。


















この”黒いメンタルキューブ”にパワーを溜めることで!
あなたもきっと元の世界に帰ることができるはずです!」


オブザーバー「あ。」

ピュリファイアー「……バカが感染ってきてないオブザーバー?」



ベルファスト「黒いメンタルキューブ……!こ、これは……!」


赤城「ご存知でしたか?」

ベルファスト「はい。しかしながら、詳しくまでは……。」

赤城「おや、そうでしたか。ふっふっふ。これはですねぇ、かくかくしかじか……」

ベルファスト「はぁ……」















ベルファスト「(……怪しい。怪しすぎる……!)

……不躾ながら皆様。このメンタルキューブ、セイレーンの言葉通りの物と受け取るのは些か無用心ではないかと。」

オブザーバー(言ってすらいないのだけれどね。)

ベルファスト「このベルファスト、今は異邦人の身なれば、この世界の争い事に手を出すつもりはございません。
しかしセイレーンが介入しているとなれば話は別です……!」(ザッ

オブザーバー「……仕方ないわね。」

ピュリファイアー「ははっ!結局こうなるわけね!」














待ちなさい。

オブザーバー「ん?」

ピュリファイアー「なんだなんだ?」

ベルファスト「あなたは……」



















ベルファスト「陛下!?

……いえ、違いますね。
ベルファストと申します。お名前、伺ってもよろしいでしょうか?」


ウォースパイト「Queen Elizabeth class Battleship Warspite。」
ジェーナス「ね!やっぱりベルファストだったわ!当たったでしょウォースパイト!」


ベルファスト「ウォースパイト様……。
私、メイドとして姉君クイーンエリザベス様にお仕えいたしております。」


ウォースパイト「……そう。そちらの世界の姉様を、よろしくお願いするわね。

それはそれとして、その方たちは今は私たちの客人です。
事情は詳しくは知りませんが、ここで手を上げるようなことは許しません。」


ベルファスト「しかし……!」


ウォースパイト「……そして、それもそれとして。礼を言わせてください。」

ベルファスト「……は?」

ウォースパイト「あなたは『この世界の争いに手を出すつもりはない』と言いました。
にも関わらず、戦艦水鬼たちに追われていたとJanusから聞きました。

なぜか……





















この子のことを、守ってくれていたのですね。」


ベルファスト「…!」

ウォースパイト「改めて、言わせてください。ありがとう。
そして……
















ようこそ、私たちの世界へ。
我々はあなた”も”歓迎します。
この世界のこと、気に入っていただけると嬉しいわ。」




ベルファスト「……承知しました。無粋な行い、どうかお許しを。

このベルファスト、この世界にいる間は御身……
いえ、この世界への余計な干渉を取り除くを努めと心得ました。」






ピュリファイアー「ははっ。なんか知らないけど丸く収まったみたいね。」

ベルファスト「……平たく言えばあなた方の”監視”ということです。ゆめゆめお忘れなきよう。」

オブザーバー「あら怖い。」


ジェーナス「難しい話は終わったー?じゃあじゃあ!あなたの世界の話を聞かせてベルファスト!
ああ待って!ジャーヴィスも呼んでくるね!」






加賀「……長い」

飛龍「今回のまとめを三行で、どうぞ」

赤城「ベルファストさんが
仲間に
なった!」


はは……。











ウォースパイト「それでBelfast。あなたは何をすりおろすのが得意なの?」

ベルファスト「……は?」