[人目を盗んで裏山の麓へ。]

[周囲に人がいないことを確認して、柏手を打つ。]

[すると周囲の霧が一気に濃くなり、一か所だけ風が渦巻くように集まる場が出来る。]

[そこに入れば、次の瞬間には山頂のお社にひとっ飛びだ。]

[実に便利である。]

[都にもこの要領で遊びに行けたら楽なのになぁ。]



[私が鳥居を潜ると、人間に化けた霧山剛津見様と優樹がお団子を食べていた。]

[霧山剛津見様の人型を初めて見た時は驚いた。]

[真っ白な髪に、真っ赤な瞳。根本から折れた痛々しい角。]

[思わず動けなくなるほどの、大変に美しい男性になっていたのだ。]

[確かにこれは、人間ではないとすぐに見破られる美しさだ。]

[毎日通い見慣れ始めた私でもこれだ。]

[昔の民たちも相当驚いたに違いない。]



[霧山剛様津見様がお団子を食べながら手招きする。]

[その招く手も白く細く長く美しい。]

[蛇なのに手や足が綺麗なのは狡いと思う私がいる。]







霧山剛津見「○○姫もこっちにおいで。君のお父上にお団子をお供えしてもらったんだ。分けてあげよう」






結構美味いぜ。美味いもん食い慣れてる姫の口に合うかはわかんねーけど









△ここで食べ物を口にして、黄泉戸喫になりませんか?大丈夫…?
△里で有名なお団子屋さんのものですね!私も好物です!
△毎日通う