[今日はバレンタイン。]

[若い男女がこぞってお菓子会社の陰謀に踊らされる日である。]

[あちこちが赤白ピンク茶色で飾り立てられ、街中に甘い匂いが立ち籠め、そこらじゅうにリア充が蔓延る・・・]

[そんな街の中、私は1人で優樹の家に向かっていた。]





―――・・・




らっしゃーい。

・・・はい。

お前、俺に渡すものがあるんじゃねーの?






[優樹が期待した眼差しを向けてくる。]





はい!本命チョコだよ!
ほら!友チョコあげる!
ぎ、義理チョコだから!
なんのことだ?
むしろくれよ!
2015年2月14日