もう0時を過ぎている。光を宿している店は少ない。
早栗「……………」
家を出る際、誰も起きてはいなかった。いや───正確には起こさないように出たと言うべきか。
お父さんもお母さんも妹も……特にお母さんにとっては、
アレを見てしまっているから。
早栗「早く……」
こんな時間にも関わらず、更には自分から呼び出しておいて身勝手だとは思う。でも、早く会いたいんだ。
ポツリと呟いた言葉は誰に聞こえるわけでもなく、虚空へと消えていく。
早栗「早く……」
周囲に化け物が居ないかと今も挙動不審な態度をしている私は、酷く滑稽だと思う。他人から見れば、怪しい人に見えるかもしれないね。
早栗「早く……!」
「おまたせー」
早栗「…………!」
来た!
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