ざわつきが絶えないマック店内。
早栗という存在が居なくなって、そして今日突然戻ってきて。身の回りに起こる不可解な出来事に頭を捻っていても、この場所の騒がしさは変わらない。
普段は落ち着かないんだけど……どうしてかな、今は妙に安心するというか家とは違う安らぎがあるというか、そんな感じ。

シェイクを一飲み、甘い。


「……………」


ここに来るまでの道中で色々と考えた。そして出した結論―――忘れよう、全て。

何が早栗が失踪しただ。
何が那廻家が消失しただ。
何が早栗の妹や母親が遺体で見つかっただ。


「……………」


悪魔?召喚の儀式?全くもって馬鹿げてる。


「……………」


そう思う事にしよう。それが一番なんだ。
心の奥底で、それで本当に良いのかと叫ぶ自分を無視する。今となっては五月蝿いだけだ。
さあ、そうと決まったら暗い顔なんかしていられない。明日には明るい顔を見せると早栗と約束したんだ。
暗い顔はもう終わり。


「……………」


シェイクをもう一飲み、甘い。


「……………」


外も暗くなってきた、そろそろ帰ろうかな。時刻もあとものの数分で18時半となる事だし。
一気にシェイク、そして食べかけのバーガーを口へと詰め込み、トレーを片付けようとした、その時―――


???「こんばんは」


ふと若干の聞き覚えがある声が耳へと飛び込んできた。
反射的に視線を送る。


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☆儀式の翌日3